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治安情勢について その21


 
 在留邦人の皆様へ(本情報は在留届等に記載されたメールアドレスにも送信されています)  

 4日付「Aujourd'hui le Maroc」紙(モロッコ紙)が,ウサマ・ビン・ラーデン殺害に関する分析記事を掲載しているところ,要旨を以下のとおりお知らせします。

 ●AQMI(イスラム・マグレブ諸国のアル・カイーダ)は,西洋人誘拐の身代金により多額の活動資金を獲得。
   AQMIとAQ(アル・カイーダ)の関係は思想的又は象徴的なもの。よって,ビン・ラーデン死亡によりAQMIが直ちに大きく変化する
   ことはないと思われる。

 ●他方,サラフィスト思想(予言者ムハンマドから最初の3世代まで実践されたという,純粋なイスラム教を追求・実践しようとする
   過激なイスラム思想)は,個人の神聖化を禁止しているが,ビン・ラーデンが死亡し魂となったことで,崇拝対象に変化する可能性
   がある。その意味において「ビン・ラーデンは生存していた時より,死後の方がより危険」と指摘する専門家もいる。

 ●AQMIのリーダーは,AQと忠誠関係により結ばれている。AQMIは間違いなくサヘル地域において報復行為にでるだろう。

 ●Soumeylou Boubeye Maigaマリ外相は,3日発行のル・モンド紙において,「ビン・ラーデンの死亡により,AQMIは,思想的あるいは
  作戦的な発想の主柱を奪われたが,他方,短期的なリスクは高まった。ビン・ラーデンの死亡によりAQMIの「自立的な過激化
  (autoradicalisation)」が進み,サヘル地域がAQと西側陣営が全面的に対峙する地域となる危険性がある」と述べている。