在留邦人の皆様へ
10日、当地ブルキナファソにおける散発的なデモの発生に関する、当地報道振りは以下のとおりです。
1.綿花生産農家によるデモ
5月30日、ブルキナファソ西部のボボデュラッソ及びデドゥグにて8,000人を越える綿花生産農家がデモ行進を実施した。綿花生産農家は、綿花の買い取り価格を現在の1kg=245フラン・セーファー(約0.37ユーロ)から500フラン・セーファー(約0.76ユーロ)に引き上げることや、肥料の販売価格を50kg=16,000フラン・セーファーから13,200フラン・セーファーへ引き下げることを要求している。右デモを受け、ブルキナファソ綿花生産最大手SOFITEX社は1995年から社長を勤めてきたセレスタン・ティエンドレベオゴ社長を更迭し、新たに元農業大臣であるジャン・ポール・サワドゴを社長に据えた。ブルキナファソはアフリカ最大の綿花生産国である。
(当館注:ブルキナファソの綿花生産量は年間約20万~30万トンでアフリカ第1位。また、ブルキナファソの綿花生産は大手3社(仏系等)によりほぼ独占されている。他方、綿花の国際価格は現在1ポンド=2ドル以上で推移している。)
2.土地登記汚職に対する住民のデモ
2日、ワガドゥグ市郊外のゾンゴの住民達は、彼らの土地が、区役所によって不正に登記されているとしてデモを実施した。土地登記汚職問題による住民の不満を受け、区長は解任されたが、住民達は、区長代理を始めとする区役所職員も土地の不正登記によって不当に利益を得ていたとして、注意を促している。
(当館注:ブルキナファソでは、現在、土地の区画整備及び登記が進められている。伝統的に、ブルキナファソにおいては、土地は伝統的首長の所有物であり、住民は首長の許しを得て土地を借り、もしくは譲り受け暮らしいる。本件土地登記汚職問題は、土地の権利を明らかにするために、土地登記が進められているのを悪用し、区役所や市役所が不正に、伝統的土地使用者ではない他人の名前(市長等の職員名)で土地の登記を独断で行っているという問題。土地の登記によって土地の権利が明らかになるため、土地の価値は上がり、他人の土地を自分の名前で登記しその土地を担保に銀行から融資を引き出すといった汚職が蔓延している。)
3.ブルキナファソ砂糖会社(SN-SOSUCO)
7日、ブルキナファソ南西部バンフォラ市近郊に位置する、ブルキナファソ砂糖会社(SN-SOSUCO)の労働者は、2月以降進められてきた労働協議に進展がないことに対する不満を表明するため、工場で座り込みを行った他、国道7号(ブルキナファソ南西に位置する第2の都市ボボデュラッソとバンフォラ市を結ぶ主要幹線国道)を数時間にわたり、封鎖した。州知事の取りなしによって、道路封鎖は解除され、8日、政府仲介者がバンフォラを訪問し、同社労働者と話し会いを進めた。
(当館注:ブルキナファソにおける砂糖の生産はSN-SOSUCO社(AGA-KHAN系)によって独占され、輸入・販売はSN-SOSUCO社の関連会社であるSODISUCRE社によって独占されている。また、SN-SOSUCO社の生産量は、2万8千トンに留まり、国内需要量10万トンを満たさないため、7万2千トンを輸入しているが、輸入砂糖の価格を高く設定し、SN-SOSUCO社を保護している。他方、今次治安悪化を受けた政府の緊急対策の一環として、3ヶ月間に限り、砂糖の輸入が自由化されている。また、ここ数年で、国内砂糖価格は倍になっている。)
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