見返り資金による「国家独立選挙委員会体制強化計画」引渡式典

平成27年12月28日
2015年9月2日,ワガドゥグ市内において,食糧援助(注1)見返り資金(注2)による「国家独立選挙委員会体制強化計画(約1億円)」にて調達した四駆車両21台及びバイク8台の引き渡し式典が開催され,ブルキナファソ政府を代表してケレ・バルテルミ国家独立選挙委員会(CENI)委員長が,日本政府を代表して二石大使が参加しました。
 
2014年10月末,ブルキナファソでは,旧与党勢力が憲法の大統領三選禁止条項を改正するための決議を国民議会において強行しようとしたことにより市民蜂起が発生し,27年に渡るコンパオレ政権が崩壊しました。その後,国内社会の合意の下に発足した,任期を12か月とする暫定政権のもと,CENIが中心となり,大統領選挙及び国民議会議員選挙の準備が進められ,本年11月29日に右選挙が無事実施されました。
 
本計画申請時,CENIが保有する車両は6台のみであり,迅速な輸送能力の向上は,今次選挙を実施するうえで深刻な課題となっていました。2012年に開催された国民議会議員選挙時には,借り上げ車両の頻繁な故障により安全な輸送が確保されなかった経緯があります。本計画により,CENIに対して供与された車両21台とバイク8台は,選挙に関する物資及び資料,議事録,投票箱の運搬,投票結果の移動,選挙の監督の安全な実施に貢献しました。
 
式典において,二石大使は,選挙プロセスに関わる全ての関係者を称賛し,引き続き,選挙の成功に向け任務を続けられるよう奨励しました。また,二石大使は,公正な,信頼できる,平穏な方法で選挙が実施された後,結果が万人に受け入れ,さらには,強い決意をもって新しいブルキナファソの建国を進めようと誓うブルキナファソの人々を見られることを心より望むと述べました。
 
ケレCENI委員長は,今次選挙は,全てのブルキナファソ国民にとって大きな課題であると同時に,未来に対する新しい挑戦であると述べました。また,同委員長は,今次供与された輸送機器により作業力が向上し,選挙時の労働環境が飛躍的に改善される旨述べ,ブルキナファソ政府及び同国民を代表して日本の政府及び国民に対し感謝の意を示しました。
 
注1: 食糧援助とは,食糧不足に直面している開発途上国に対し,米,小麦,トウモロコシなどの穀物の支援を目的とした無償資金協力をさす。
 
注2:見返り資金とは,食料援助等により調達された食料を被援助国の国内市場で民間企業等に売却し,得られた対価を被援助国の国内通貨で積み立てたもの。資金は,被援助国と我が国との協議後,被援助国の経済・社会開発を目的とした事業に使用される。