平成27年度対ブルキナファソ草の根・人間の安全保障無償資金協力「中央北部地方バム県コングシ市周辺3市井戸建設計画」署名式

平成28年3月31日
2016年3月18日,在ブルキナファソ日本国大使館にて,サワドゴ・ロック・ナザール環境牧畜保護青年協会代表と二石大使の間で,平成27年度対ブルキナファソ草の根・人間の安全保障無償資金協力「中央北部地方バム県コングシ市周辺3市井戸建設計画」にかかる贈与契約の署名式が行われ,ガムソンレ・イドリッサ・コングシ市長,バドロ・ブビエ・シエマ・ジムタンガ市長,ニキエマ・フィデル・ブルザンガ市長等が参加しました。
 
ブルキナファソにおいて安全な水を利用できる人々の割合は,都市圏では80.0%ですが村落部では58.5%と依然低水準にあります(2013年,ブルキナファソ政府)。村落部では,河川や水溜りの水を調理用水や飲料水として利用する住民が多く,水因性疾患を発症する要因となっています。
 
今回,日本が環境牧畜保護青年協会を支援し,中央北部地方バム県コングシ市周辺3市(コングシ市タンポンガ村,ジムタンガ市モメネ村,ブルザンガ市ブルンガ村)において深井戸を1基ずつ建設することにより,対象地域の住民約6,800人に安全な水が供給されます。これにより住民の水因性疾患が減少し,対象地域における農業・畜産の生産性が向上するだけでなく,女性の社会活動(教育,農業,商業)が促進されるなど,対象地域の生活の向上が期待されます。
 
式典で,二石大使は,今次支援の対象地域における飲料水へのアクセス状況は非常に苦しく,一日に使える水の量の平均が1家庭当たり3リットル以下であり,この状況はいち早く改善されるべく不公平である旨述べ,人間の生活・尊厳に必要不可欠な飲み水へのアクセスはあらゆる人に保障されなければならないと主張し,かかる観点から,今回環境牧畜保護青年協会への支援を決定したと説明しました。また,二石大使は,日本政府は1992年以降,政府に対する無償資金協力やNGO等に対する草の根・人間の安全保障無償資金協力により多くの井戸を建設しており,その総数は建設中のものも含めると1101に上るとし,日本政府による飲料水へのアクセス分野における支援を強調するとともに,今回の支援により対象地域の住民の生活の質の向上に貢献することを願う旨述べました。
 
サワドゴ・ロック・ナザール環境牧畜保護青年協会代表は,同協会はコミュニティにおける参加型のダイナミズムを活用して地方のイニシアティブを促進することで,地方の食糧安全保障を持続的に強化することを目的として活動している旨説明しました。また,同代表は,バム県の住民たちはこれまで湖や沼などから飲み水に適さない水を得て,これが水因性の病気の多発につながっていたこと,水くみが女性たちにとって大変な苦役であったことを述べ,今回の支援によりこれらの状況が改善されるとして,日本政府及び日本国民に対して,繰り返し感謝の意を示しました。
 
【案件概要】
・事業名:平成27年度対ブルキナファソ草の根・人間の安全保障無償資金協力「中央北部地方バム県コングシ市周辺3市井戸建設計画」
・被供与団体:環境牧畜保護青年協会
・プロジェクトサイト:中央北部地方バム県コングシ市周辺3市(コングシ市タンポンガ村,ジムタンガ市モメネ村,ブルザンガ市ブルンガ村)
・供与限度額:31,979ユーロ (4,477,066円)
 
贈与契約に署名する二石大使(写真手前)とサワドゴ・ロック・ナザール環境牧畜保護青年協会代表(写真奥) 集合写真