ご挨拶(令和4年)

令和4年1月7日
ブルキナファソに着任して1年5ヶ月がたちました。この間、ブルキナファソを含め世界の人々が、新型コロナウイルスの影響を大きく受けました。また、アフガニスタンではタリバーンが実権を握り、アフリカのいくつかの国では大統領が拘束されるなど、不安定な状況が続いています。一言で申し上げれば、多くの人々が安全で安心した世界への回復を希求した期間でした。
 
ブルキナファソでは、2020年11月に大統領選挙が平和裡に行われ、カボレ政権第二期が始動しました。新しく第2次国家経済社会開発計画を策定し、治安・社会的結束といった課題を始め、ガバナンス・教育・雇用・保健・生産制度から文化・スポーツ分野、さらには格差やジェンダーなどの横断的課題を含めた包括的、かつ野心的な目標を掲げています。治安に関しては、2021年6月に100名を超える犠牲者を出した襲撃事件が起きるなどテロの脅威が継続し、国内避難民は拡大している状況です。このため治安対策は同国最大の課題となっており、日本は国際社会と共に同国政府の努力を支援してきました。農業、人材育成、域内経済統合という日本の協力の重点分野についても、コロナ禍で人材の往来が制限された状況の中でも、工夫をしながら積極的に同国の開発支援を継続してきました。
 
スポーツ・文化面に目を転じますと、2021年に行われた東京オリンピック・パラリンピックでは、ザンゴ選手が三段跳びでブルキナファソで初めてのメダルを獲得し、国中が大いに盛り上がりました。同国では、柔道、空手など武道も盛んで、スポーツを通じた日本との交流も行われています。2021年10月には、アフリカ最大級の映画祭「ワガドゥグ全アフリカ映画祭」が開催され、アフリカ各国を代表する映画作品の一つとして、日本在住のブルキナファソ人によるアニメ映画も上映されました。
 
2022年にはチュニジアで第8回アフリカ開発会議(TICAD8)が行われ、ブルキナファソを含むアフリカのこれからの開発の方向性が議論される予定です。引き続き、法人の皆様の安全確保には十分には全力を尽くしながら、日本とブルキナファソとの二国間関係の強化に努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

在ブルキナファソ日本国特命全権大使  加藤 正明