ブルキナファソ月報(2023年6月)
令和5年7月12日
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【内政】・25日、トラオレ暫定大統領はデクレを発出し、内閣改造を発表した。交代となる大臣は、治安大臣、司法大臣、農業大臣、環境大臣の4大臣。
【外政・協力】
・14日付、当地ネットニュースは、サノゴ(Issa SANOGO)氏(コートジボワール国籍)が数週間以内にブルキナファソの国連常駐調整官(UNRC)に就任することを報じた。
・26日、シンドラー(Martin SCHINDLER)国際通貨基金(IMF)アフリカ局副局長率いる代表団はトラオレ暫定大統領を表敬し、今後のIMFのプログラムを伝達するとともに、IMFの支援を再確認した。
【治安】
・18日、暫定政府は国連に対し、マリのMINUSUMAにおいて、平和維持に従事するブルキナファソ軍を撤退させるために必要な措置を講じることを要求した。同決定は、16日にマリが国連に対し、自国領域内で活動するMINUSUMAの兵士を遅滞なく撤収させることを要求したことに呼応するもの。暫定政府は、マリの同決定を勇気あるものとして歓迎し、マリに対する連帯を表明した。
・26日、中北部(Centre-Nord)地方バム(Bam)県ナムシギア(Namsiguia)=ブルザンガ(Bourzanga)間において、軍の輸送車列に対する待ち伏せ攻撃が発生し、戦闘の結果、34人の兵士(うち3人がVDP)が死亡し、40人以上のテロリストを掃討した。
【内政】
・5日、愛国支援戦線運営評議会(FSP)は第二回通常会合を開催し、テロと平和の回復に向け1月11日に創設された愛国支援基金の合計額が6月2日時点で200億FCFAを突破したことを発表した。
・5日から6日にかけて、フエ(Houet)県において政治・行政・制度改革意見交換デーが開催され、ボボ・デュラッソの市民社会代表は、治安改善なくして2024年7月に大統領選挙を実施すべきではないと訴えた。
・7日に開催された閣議において、カルグク保健大臣は、当地における新型コロナウイルスの終息を受けて、出入国にかかる検疫措置を緩和することは適切であると説明した。
・14日、キエレム首相は、フランスを模倣しない、ブルキナファソの現実を反映した新たな憲法を作成するよう呼びかけた。
・19日、キエレム首相は、ワガドゥグで開催された官民パートナーシップ委員会第一回特別会合の議長を務め、官民パートナーシップ(PPP)構想のプロジェクトに関する評価報告書を関係閣僚らとともに協議した。
・20日から22日にかけて、人道活動省は、国民和解と社会的結束に関する科学セミナーをワガドゥグ市内で開催し、開会式にはキエレム首相や関係閣僚らが出席した。
【外政・協力】
・2日、ルアンバ(Olivia ROUAMBA)外務大臣は、アフリカ・デー60周年とECOWAS48周年の記念式典を開催し、アフリカ大陸自由貿易圏の加速化を訴えた。
・3日、ルアンバ外務大臣は、ブグマ(Ousmane BOUGOUMA)暫定立法議会(ALT)議長とともにアンカラを訪問し、再選を果たしたエルドアン(Recep Tayyip ERDOGAN)トルコ大統領の就任式に出席した。ルアンバ外務大臣は、ブルキナファソとトルコが経済・教育・保健・国防・最新技術・開発・文化等の様々な分野において二国間協力関係を強化するという意思を共有していると述べた。
・5日、当地スウェーデン及びデンマーク大使館は、合同で国祭日のレセプションを開催し、ブルキナファソに対する支援とコミットメントを再確認した。
・5日から16日にかけて、国際労働機関(ILO)の第111回国際会議が開催され(於ジュネーブ)、バジエ(Bassolma BAZIE)国務大臣らが参加した。バジエ国務大臣は、テロとブルキナファソに対する国際社会からの理解と支援が不足していることを訴えた。
・6日、国家開発政策(PND)国家運営委員会(CNP)の議長を務めるキエレム首相は年次レビュー会を開催し、2022年におけるプロジェクト全体の実施率は63%である旨発表した。
・6日、当地サウジアラビア大使館は人道活動省と国家緊急支援・復興評議会(CONASUR)に対し、50トンのデーツを無償供与した。
・9日、世銀のウリベ(Dr Juan Pablo URIBE)世界保健・栄養・人口課長がジェネリック医薬品・医療品中央販売局(CAMEG)の物流プラットフォームを訪問し、同機関の倉庫再建に向けて、700万USドルの資金援助を発表した。
・10日、当地中国大は、ワガドゥグ市内の産院に対し、保健支援(幼児に対する学用品等)を供与した。供与式には、ソメ(Nandy SOME DIALLO)人道活動大臣とシャン(Lu SHAN)当地中国大使が出席した。
・12日、ゼレンツォヴァ(Larisa ZELENTSOBA)BRICS戦略プロジェクト国際同盟代表は、トラオレ暫定大統領に対し、テロとの戦いにおける決意と勇気に敬意を表したBRICSのメダルを授与した。同代表は、ブルキナファソにおけるBRICS同盟の代表事務所の開設を目指しており、BRICS諸国は経済開発、人道支援、文化等の分野においてブルキナファソを支援すると述べた。また、13日には、ルアンバ外務大臣とともに優先協力分野(経済、保健、教育、インフラ、輸送、産業、貿易、鉱業、エネルギー、情報技術、観光等)を定めた覚書に署名した。
・13日、ルアンバ外務大臣は、ワガドゥグ市内で開催されたロシアの国祭日の式典に出席し、両国は、二国間の友好・協力関係を一層強化すること希望する旨表明した。
・14日、ルアンバ外務大臣は、フランソワ・ローマ法王就任10周年とブルキナファソと教皇庁の外交関係樹立50周年の記念祝典に出席した。クロッティ(Mgr Michael CLOTTY)法王(教皇)庁大使は、サヘルの平和を促進するためにより大きな連帯と行動を求めた。
・18日、ルアンバ外務大臣は、任期満了を迎えるラトゥフ(Sandra LATTOUF)当地UNICEF代表の表敬を受け、同代表の3年間の任期中における支援への功績と特別で良好なパートナーシップに感謝の意を表した。
・20日、ルアンバ外務大臣は、カタールを公式訪問し、アル・ムライキ外務大臣と会談を行った。ルアンバ外務大臣は、テロとの戦いにおけるブルキナファソの現状につき説明し、カタールは人道・保健分野について支援する意思と準備があることを表明した。
・22日、トラオレ暫定大統領は、シマオ(Leonard Santos SIMAO)西アフリカ・サヘル国連事務所長(国連事務総長特別代表)の表敬を受け、国連及び全ての国連機関が政治・経済・社会的困難を乗り越えるためにブルキナファソを支援する準備があることを再確認した。
・22日、暫定政府は国連システムとともに、国連の新たな協力関係を示す「ブルキナファソの持続可能な開発のための国連暫定行動計画(UNIDAP)2023-2025」に署名した。同暫定計画は、開発、人道支援、平和構築の各分野における国連のコミットメントを示すもの。
・27日、キエレム首相は、ファギヒ(Mojtaba FAGHIHI)当地イラン大使の表敬を受け、二国間協力関係の強化について意見交換を行った。同大使は、ブルキナファソに対するイランの石油や医薬品の輸出を始め、二国間関係には多くのポテンシャルがあると述べた。
・29日、中国の民間エンジニアリング建設会社であるCCECCは、ワガドゥグにおいて、同会社が手がける「ヤムスクロ=ワガドゥグ高速道路建設計画」のボボ・デュラッソ=ワガドゥグ間のセクションの覚書にソルゴ・インフラ大臣とともに署名した。
【経済・社会・文化】
・2日、メッカ巡礼に向けて、430人のブルキナファソ人ムスリムを乗せた最初の航空機がワガドゥグ空港を離陸した。
・2日、暫定政府はファソ・ダンファニとココ・ドゥンダ(当地の伝統的衣装)の着用に関する政令を採択した。同政令は、政府関係者、教員、公務員、大使、医療従事者、学生等に対して着用を奨励するもの。
・6日、ジョゼフ・キゼルボ大学は、フランス・ボルドー大学付属の専門研究機関とともに「疫学フィールド実習」プログラムにかかる資金調達協定を締結した。
・6日から7日の夜にかけて、ワガドゥグ市内の商業・行政活動区(ZACA)において、6階建てのビルが倒壊し、2人が死亡、2人が負傷する事故が発生した。
・8日、ブシム(Simon Pierre BOUSSIM)鉱山大臣は、ブルキナファソの鉱山会社であるSALMA Mining SAと南西部地方にある新たな鉱山採掘契約を締結した。同契約により、暫定政府は約170億FCFAを受け取った。
・12日、トラオレ暫定大統領は、大衆持ち株による地域起業家育成プログラムに署名した。同プログラムの目的は、2年間で100万人の直接雇用を創出し、民間部門を経済成長に繋げることである。
・13日、ブルキナファソ・イスラム連盟(FAIB)は、暫定政府に対して5億FCFAを寄付する式典を開催した。同寄付金は、「連帯月間」という名の寄付活動を通して集められた。
・12日、世銀は短中期的経済動向分析等に関する定期報告会を開催し、金融レジリエンスにフォーカスした報告書を発表した。ナカナボ経済大臣及びウエドラオゴ農業大臣の出席の下、2022年のブルキナファソのGDP成長率が2.5%(2021年は6.9%)を記録したという分析結果が発表された。
・28日、イスラム教の犠牲祭(タバスキ)が開催された。
・30日、2023年バカロレアの結果が発表され、高校生らは結果に感情を爆発させた。
【治安】
・3日から4日にかけて、北部(Nord)地方ヤテンガ(Yatenga)県のドゥーマ(Douma)で民間人少なくとも12人が過激派とみられる武装集団に殺害された。
・5日、クリバリ(Kassoum COULIBALY)国防大臣はブークル・デュ・ムフン(Boucle du Mouhoun)地方コシ(Kossi)県ヌナ(Nouna)を訪問し、地元の首長や宗教指導者らと意見交換を行った。
・6日、中央東部(Centre-Est)地方において、テログループの襲撃を受け、国防・治安部隊(FDS)の兵士4人とボランティア兵(VDP)14人が殺害された。軍は同地方において軍事作戦を展開し、約60人のテロリストを掃討し、武器や家畜等を回収した。
・10日、軍はサヘル(Sehel)地方スム(Soum)県ジボ(Djibo)の北に位置するフェト・コバ(Feto Koba)において、テロリスト22人を殺害し、武器や通信機器、バイク等を回収した。
・26日から27日にかけて、ブークル・デュ・ムフン(Boucle du Mouhoun)地方及び中北部地方において2件の襲撃が発生し、兵士41人(うち33人がボランティア兵)が死亡した。また、救援に駆けつけた軍は、少なくとも80人のテロリストを掃討したと発表した。
・26日、中北部地方サンマテンガ(Sanmatenga)県ピッシラ(Pissila)のコミューンであるノアカ(Noaka)において、武装集団の攻撃が発生し、戦闘の結果、37人のVDPが死亡した。
・30日、軍は、北部(Nord)地方グルシー(Gourcy)近郊に位置するラゴ(Lago)付近で空爆作戦を実行し、約30人のテロリストを掃討した。
・30日、トラオレ暫定大統領は、デクレをもって、即応大隊(BIR)第8~12管区の指揮官に5人の将校を新たに任命することを発表した。
【日本との関係】
・9日、スポーツ省は、「武道の夕べ」を開催し、加藤大使が出席した。スポーツ大臣、国防大臣、治安大臣列席の下、空手、柔道、カンフー、テコンドー、ボビナム(ベトナム武術)の演舞が行われ、テロと戦うFDSとVDPを鼓舞した。
・19日、加藤大使は、無償資金協力「中央及び中央南部州における中学校建設計画(UNICEF連携フェーズ1)」に関し、JICAとUNICEFの連携により建設したワガドゥグ市内のゾンゴ地区の中学校を訪問し、同完工式典に出席した。同式典には、ウエドラオゴ教育大臣やラトゥフ当地UNICEF代表が出席し、関係者からは日本の支援に対し感謝の意が表された。
・19日、加藤大使は当地メディアやレストラン関係者を招き、日本酒試飲会を公邸にて開催した。参加者からは、日本酒の奥深さや日本食の質の高さに感銘を受けた等、好意的な反応を得ることができ、当地における対日理解促進に資する機会となった。
・22日、加藤大使はUNFPA連携「若者の性と生殖に関する健康及び権利向上計画」の成果報告ワークショップの開会式に出席した。開会式には、保健省、当地UNFPA常駐代表らも出席し、加藤大使はスピーチの中で、本プロジェクトで学んだ知識と技術が今後も若者の間で継続的に活用されることを期待した。
・26日、当地を訪問中の梁瀬JICAアフリカ部長は、ルアンバ外務大臣を表敬し、教育、農業、域内統合に寄与するJICAのプロジェクトを紹介し、今後も対ブルキナファソ開発支援を継続的に行っていくことを再確認した。
(了)