ブルキナファソ月報(2023年12月)
令和6年2月2日
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【内政】・17日、内閣改造が行われ、ルアンバ外務大臣はじめ3人の大臣が退任し、ウエドラオゴ広報・文化・芸術及び観光大臣が国務大臣に昇格した。官房長官もディンガラ(Jacques Sosthène DINGARA)氏からトラオレ(Mathias TRAORÉ)氏に交代となった。
・30日、暫定国民議会(ALT)はこれまで公用語であったフランス語を作業言語と位置づける等定めた憲法改正法案を可決した(70議席中64賛成、5棄権、1反対)。
【外政・協力】
・2日、暫定政府は、フランスの日刊紙ル・モンド(Le Monde)を国内において停刊する措置を執った。
・19日、ジューヌ・アフリック(Jeune Afrique)紙は、フランスの情報機関(DGSE)職員4人が、外交旅券を持っていたにも関わらず拘留され逮捕されていると報道。
・28日、在ブルキナファソ・ロシア大使館の開館式典が執り行われた。
【治安】
・12日、フエ(Houet)県フォ(Fo)にて、軍服を着た者らにより市場に集まった30人近い市民が殺害された。
【日本との関係】
・18日、長島大使はトラオレ暫定大統領に信任状を捧呈した。
・20日、長島大使はトラオレ外務大臣と無償資金協力「道路維持管理機材整備計画」のE/N等の署名を行った
【内政】
・1日、キエレム首相が暫定立法議会(ALT)にて国家演説を行った。
・5日、MPP党本部に警察が立ち入り、ウアロ(Stanislas OUARO)MPP副代表(元教育大臣)が逮捕された。
・8日、ウアロMPP副代表が釈放され、直後、副代表を辞任する旨発表した。
・6日、定例閣議にて憲法改正法案をALTに提出することが決定された。法案によれば、主な変更点は、フランス語を公用語から作業言語にすること、高等法院を廃止すること、経済社会評議会を廃止すること。
・6日、ゼルボ/サバネ(Aminata ZERBO/SABANÉ)デジタル移行・郵便・電子的通信大臣は、TikTokをはじめとするSNSについて、子どもにとって不適切なコンテンツのアクセスを制限する旨発言した。
・9日、ウエドラオゴ(Rimtalba Jean Emmanuel OUÉDRAOGO)広報・文化・芸術及び観光大臣がエタロン勲章のオフィシエに叙勲された。
・10日、ブルキナファソの独立記念日に際し、トラオレ暫定大統領が国民に宛ててビデオ演説を行った。
・12日、国防省が5,000人規模でVDPから兵士への特別登用を開始した旨報道された。
・14日、関税をオンラインで支払いできるサービス「eDouanes」が発表された。
・15日、2024年の予算が成立した。歳入が3兆191億CFAフラン、歳出が3兆6,946億CFAフランとなる。
・17日、内閣改造が行われ、ルアンバ外務大臣はじめ3人の大臣が退任し、ウエドラオゴ広報・文化・芸術及び観光大臣が国務大臣に昇格した。官房長官もディンガラ(Jacques Sosthène DINGARA)氏からトラオレ(Mathias TRAORÉ)氏に交代となった。
・18日、暫定政府は、ジボ近辺で作戦中のFDSが民間人を殺戮したような言説がSNS上で流布しているところ、同言説はデマであると否定する声明を発出した。
・18日、2024年1月以降、ボランティア兵(VDP)の給料が33%増額され、月額6万CFAフランから8万CFAフランとなることが発表された。
・18日、ソメ/ディアロ(Nandy SOMÉ/DIALLO)連帯・人道活動・国民和解・ジェンダー及び家族大臣は、11月末までに34万人以上の国内避難民(IDP)が帰還したと発表した。
・19日、外務省にて、外務大臣交代式が行われ、トラオレ(Karamoko Jean Marie TRAORÉ)(前外務・地域協力及び国外ブルキナファソ人大臣付地域協力担当大臣)外務・地域協力・在外ブルキナファソ人大臣が着任した。
・20日、暫定政府は、食糧確保を理由に、穀物の輸出を禁止する旨声明を発出した。
・24日、野党「Le Faso Autrement」党首のウエドラオゴ(Ablassé OUÉDRAOGO)氏が拘束された。
・30日、ALTは憲法改正法案を可決した(70議席中64賛成、5棄権、1反対)。
・31日、トラオレ暫定大統領は、テロとの戦いを強化するため、「特別急速介入部隊(Brigade spéciale d’intervention rapide)」の創設と、戦闘部隊の火力増強を発表した。
【外政・協力】
・1日、ブルキナファソ暫定政府及びニジェールCNSPが、G5サヘルから脱退する旨共同声明を発出した。
・1日、ルアンバ外務打陣は、マリ・バマコにてサヘル諸国同盟(AES)第1回外相会合に出席し、ジョップ(Abdoulayé DIOP)マリ外務大臣及びサンガレ(Bakary Yaou SANGARÉ)ニジェール「外務大臣」と共に、3国の連邦化を目指したいなどと記載された共同声明を発出した。
・2日、暫定政府は、フランスの日刊紙ル・モンド(Le Monde)を停刊する措置を執った。停刊措置の理由に、1日にル・モンド紙が掲載した、ジボの攻撃に関する記事の書きぶりを挙げている。
・3日、サルティコフ(Alexey SALTYKOV)当地ロシア大使(コートジボワール常駐)がルアンバ外務大臣を表敬訪問し、ロシア大使館開設等につき協議した。
・6日、定例閣議にて、タプソバ(Aristide Rapougdoudba Ludovic TAPSOBA)氏を駐ロシア・ブルキナファソ特命全権大使に、サワドゴ(Yasnemanegre SAWADOGO)氏を駐ロシア・ブルキナファソ大使館駐在武官に任命した。
・8日、ドイツ軍技術専門家グループ事務所及び当地ドイツ大使館が、軍事技術中央総局に対し車両等装備品を引渡す式典を開催した。
・10日、ECOWAS首脳会議が開催され、ブルキナファソ含め暫定政権国に対し、それぞれ当初の24か月以内の憲法秩序の回復を求めた。
・12日、米国国務省報道官が、ブルキナファソの人道状況に懸念を表明する報道声明を発出した。
・13日、定例閣議にて、11月にサウジアラビアとの間で、金額は不明なるもワガドゥグ周辺都市酪農開発プロジェクト(PDEL-ZPO II)の第二期資金調達のための融資契約と、マンガ(Manga)地域病院センター(CHR)建設・設備整備プロジェクトの第二期資金調達のため借款2件に署名した旨報告あった。
・14日、大統領府にて信任状捧呈式が実施され、長島大使を含め13人の新任大使(捧呈順に:インド、EU、イタリア、日本、ニカラグア、チュニジア、チャド、エジプト、韓国、ア首連、マレーシア、スリランカ、イスラエル)がトラオレ暫定大統領に信任状を捧呈した。
・16日、クラーク(Sandra Eliane CLARK)当地米国大使がトラオレ暫定大統領に離任の挨拶を行った。
・17日、ルアンバ外務大臣はセルビアを訪問し、ヴチッチ(Aleksandar VUCIC)大統領を表敬訪問した後、ダチッチ(Ivica DACIC)外務大臣と会談した。さらに、セルビアの軍事系IT企業VLATACOM本社にも往訪した。
・17日、第4回バドミントン中国ブルキナファソ友好杯が開催された。
・19日、暫定政府は、ギニア・コナクリにて発生した石油貯蔵施設の爆発につき弔意を表明する声明を発出した。
・19日、ジューヌ・アフリック(Jeune Afrique)紙は、フランスの情報機関(DGSE)職員4人が、外交旅券を持っていたにも関わらず拘留され逮捕されていると報道。
・23日、フランス政府は、フランソワ・コンパオレ氏に対して発出されていた送還命令を取り消した。同決定は、欧州人権裁判所からの指示に従ったもの。
・23日、モロッコにてサヘル諸国の太平洋地域へのアクセスを促進し、交易活性化を議論するための外相会合が開催され、ブルキナファソからはトラオレ外務大臣が、ニジェール、チャド及びマリの外務大臣と共に参加した。
・26日、サルティコフ(Alexey SALTYKOV)当地ロシア大使(コートジボワール常駐)がロシアTASS通信のインタビューに応じ、28日にブルキナファソに大使館を開館する旨発表した。
・28日、在ブルキナファソ・ロシア大使館の開館式典が執り行われ、トラオレ外務大臣、カブレ/カボレ(B. Stella Eldine KABRÉ/KABORÉ)外務・地域協力及び国外ブルキナファソ人大臣付地域協力担当大臣ほか一部外交団(イラン、中国、エジプト、アルジェリア等)が出席した。
・28日、マイガ(Saidou MAIGA)駐セネガル・ブルキナファソ大使がサル(Macky SALL)セネガル大統領に信任状を捧呈した。
・28日、モロッコがブルキナファソ、マリ及びニジェールと4か国が同盟関係に入ることを3か国に提案した旨、ドイツメディア「Deutsche Welle」紙が報道した。
・28日、アフリカン・イニシアチブ協会の協力の下、ロシアから救命救急指導団が来訪し、ブルキナファソの学生を対象に救急救命講習を行った。
・28-30日、第4回功夫武術中国大使杯が開催された。
・29日、マイガ(Choguel MAIGA)マリ首相がワガドゥグを訪問し、ゴイタ(Assimi GOITA)マリ暫定大統領の名代として、キエレム首相及びポダ(Serge PODA)商業大臣に勲章を授与した。
・30日、キエレム首相はニジェールを訪問し、マイガ・マリ首相及びゼイン(Ali Mahamane Lamine ZEINE)ニジェール首相と共にチアニCNSP議長を表敬した。
・31日、ECOWAS委員会は発出した声明の中で、ブルキナファソの治安状況が悪化しているなか、テロとの戦いに際し暫定政府を支援する用意ができている旨述べたと同時に、24日に拘束された野党党首のウエドラオゴ氏の即時解放を求めた。
【経済・社会・文化】
・5日、ブルキナファソが、ギニア・コナクリ港を経由して商業製品を輸送する協定を、4月にギニアとの間で結んでいたことが報道された。
・6日、ケネドゥグ(Kénédougou)県オロダラ(Orodara)にて、若手デザイナー奨励のために開催されている、第4回オロダラ国際モードフェスティバル(FITMOV)が開幕した。若手デザイナー部門では、アルーナ・ナンゴ(Harouna NANGO)氏が優勝した。
・9日、マリ人歌手のサリフ・ケイタ(Salif KEITA)氏がトラオレ暫定大統領を表敬訪問し、暫定大統領に対する支持を表明した。
・11日、国家総動員令により徴用され前線にてVDPとして勤務していた麻酔医のルーレ(Harouna LOURÉ)医師が、徴用期間を終えワガドゥグに帰還した。
・12日、モレ語など現地語のみを用いたテレビ番組「RTB3」の放映が開始された。
・14日、テンコドゴ高等裁判所は、ユーガ(Youga)及びゾアガ(Zoaga)の首長並びに別の一人が、男性1人と女性1人に対して呪術を行ったとして、12か月の禁固刑を言い渡した。
・15日、UNESCO文化遺産リストにブルキナファソ国内の遺産が11件登録された。
・16日、コンティエボ(Prosper KONTIÉBO)ワガドゥグ大司教の叙階式がワガドゥグ大聖堂にて実施された。
・18日、ブルグ(Boulgou)県ザノ(Zano)にて、24MWの発電能力を有する太陽光発電所の開所式が行われ、クリバリ国防大臣が参加した。
・20日、ブルキナファソサッカー連盟のヴェル(Hugo VÉLUD)監督は、翌1月13日からコートジボワールにて開催されるサッカー・アフリカ大会(Coupe d’Afrique)に出場するメンバーを発表した。
・27日、モスクワ・シナジー大学の代表団がキエレム首相を表敬した。キエレム首相は、ロシアとの間の言語の壁や、モスクワまでの直行便がないこと等につき懸念を呈した。
・28日、ブルキナファソ及びニジェール司教協議会は会合を開催し、同性や不規則な状況にあるカップルを祝福するとする教皇の12月上旬の宣言について、結婚に関する教義は従来同様であり、同性婚を認めたわけではない旨確認した。
・29日、国立くじ協会(LONAB:Loterie nationale burkinabè)は、スポーツくじのアプリ「Lonabet」のサービス開始を発表した。
・31日、ブルキナファソサッカー連盟は、資金難により中断していたリーグ1及び2の国内チャンピオンシップを翌年1月10日に再開する旨発表した。
【治安】
・3日、FDSにより護衛された補給車列がコマンジャリ(Komandjari)県ガエリ(Gaeri)への補給活動を完遂し、ファダングルマに帰還した。
・3日、数十人のテロリストがナヤラ(Nayala)県ビバ(Biba)から5キロ離れたボ(Bo)を襲撃し家畜を窃取しようとした。空軍は、同テロリストをモアラ・グラン(Moara-Grand)まで追跡し空爆し、多くのテロリストを無力化し、装備品を回収した。
・4日、国家憲兵隊第6連隊は、ファダングルマ及びテンコドゴ近辺にて、テロリストが活動している地域にて、食糧、燃料、スペアパーツ、家畜の密輸に関与していた280人以上を逮捕した。
・5日、サンマテンガ(Sanmatenga)県ペンサ(Pensa)近郊のワムスヤ(Wambsouya)の森にテロリストの基地を発見したことから空爆を実施した。
・6日、スム(Soum)県ジボ(Djibo)の物資輸送隊に同行していた航空機がブロ(Bouro)の森で数組のテロリストを発見したことから空爆を行った。同日午後、別のグループがメンタオ(Mentao)に配置し、輸送隊を攻撃した。同テロリストが格納庫で積み込み作業を実施していたところ空爆した。
・6日夜、空軍は、ヤテンガ県ナンゴ・ヤルセ(Nango Yarce)村を通過した後、グエンセン(Guensen)の拠点へ向かっているテロリストを追跡した。同テロリストは、司令部に呼び出され指示を受けているところを空爆された。地上部隊は、武器やバイクを回収するとともに死体を確認した。
・7日、情報機関によって、メンタオ(Mentao)でバイクに乗った複数のテロリストを発見された。ブイブイ(Bouiboui)で同テロリストらが会合を開いていたところを空爆した。後刻、地上部隊が死体と焼損した武器などを確認した。
・7日、ワガドゥグ市警察は、市内において自動三輪車の通行時間に関し取り締まりを実施した。なお、自動三輪車は午前5時から午後7時までの間のみ運転可能である。
・8日、ワガドゥグ市警察は、公道におけるアクロバット行為と自動三輪車の通行時間違反の状況について記者会見を行った。2023年1月から現在までの間、ワガドゥグ市内の公道におけるアクロバット行為でバイク78台、三輪車1,635台が押収された。
・12日、フエ県(Houet)フォ(Fo)にて、軍服を着た人々により市場に集まった30人近い市民が殺害された。
・13日、ノルベール・ゾンゴ(Norbert ZONGO)氏暗殺記念デモが行われ、参加者らは暗殺の裏幕と目されるフランソワ・コンパオレ氏の引き渡しを求める手紙をフランス大使館に提出した。
・15日、チェファリ・リイ(Tchefari-Lii)作戦により、3つの急速介入部隊(BIR)、ゲパール部隊、ファントム部隊、陸軍特殊部隊が空軍の支援を受けバラブレ(Baraboule)など、ジボ(Djibo(スム県:Soum))からマリ国境に至る全ての地域を制圧した旨報道あった。
・17日、ボンドクイ2(Bondokuy2)作戦の一環としてブークル・デュ・ムフン地方のザンザカ(Zanzaka)とヒティエ(Hitie)の間に位置する2つのテロ拠点を攻撃している旨報道あった。
・18日、BIRはテロリストに対し大規模な攻撃を行い約15人のテロリストを無力化し、1年前、軍から窃取された大量の弾薬、機関銃、戦闘車両3台等を回収した。
・20日、ブルキナファソ空軍は、ペテゴリ(Petegoli)の北5kmに所在するウィンデボキ(Windeboki)村においてテロリストが休憩していることを発見したため同テロリストを空爆し多くの者を殺害した。
・24日午前、セノ(Seno)県ゴルガジ(Gorgadji)に所在する国家憲兵隊の分遣隊を狙ったテロ攻撃が発生したが、憲兵隊とボランティア兵(VDP)により撃退された。
・27日、グルマ(Gourma)県マチャコリ(Matiacoali)近辺の木下にて集まっているテロリストを無力化した。
・28日、ボンドクイ(Bondokuy)から約12kmの距離に位置するティア(Tia)の森にて多くのテロリストが発見され、空爆した後、第10急速介入部隊が介入し、生存者を排除した。
・30日、ナメンテンガ(Namentenga)県ブルサ(Boulsa)を攻撃すべく準備していたテロリストを、ポリ・プル(Poli-Peulh)にて空爆し、30人ほどを殺害した。
・31日、ワルガイ(Ouargaye)近辺のメネ(Mené)及びヨンデ(Yondé)に於いてバイクに乗ったテロリスト数人が発見され空爆し多くの者を殺害した。
【日本との関係】
・14日、長島大使はトラオレ暫定大統領に信任状を捧呈した。
・20日、長島大使はトラオレ外務大臣と無償資金協力「道路維持管理機材整備計画」のE/N等の署名を行った。
(了)