見返り資金による「ブルキナファソにおけるエボラ熱の流行を想定した対策支援計画」引渡式式典

平成27年12月18日
2015年11月6日,ワガドゥグ市内保健省において,食糧援助(注1)見返り資金(注2)による「ブルキナファソにおけるエボラ熱の流行を想定した対策支援計画(約9,760万円)」にかかる引渡式典が開催され,ブルキナファソ政府を代表してアメデ・プロスペル・ジゲムデ保健大臣が,日本政府を代表して二石大使が参加しました。
 
2013年末から西アフリカ地域においてエボラ熱の流行が始まり,ギニアを起点とし,近隣国(シエラレオネ,リベリア,ナイジェリア,セネガル,マリ)に感染者が拡散しました。これまで,ブルキナファソ国内におけるエボラ熱発症例の報告はないものの,予防の観点から,ブルキナファソにおいても,あらゆる関係者を動員することが喫緊の課題となっています。
 
今回,見返り資金により,自動手指消毒器(100台),アルコール消毒液(770袋),医療用テント(30基),ベッド(240台),ベッド用マット(240枚),4駆車両(5台),ノートパソコン(5台),NEC製赤外線サーモグラフィーカメラ(5台),レーザー式体温計(10台)を供与し,保健関連機関職員6,260名に対して研修を実施することで, ブルキナファソ政府がエボラ熱への侵入防止策を講じることが可能になるのみならず,疑い患者が発生した場合には,迅速かつ拡大リスクを最小限に抑えて対応できるようになります。
 
式典において,二石大使は,予防医学の重要性を述べるとともに,今次ブルキナファソ政府の要請に応えることにより,エボラ熱の蔓延を防ぐため保健省の能力強化に貢献していく決意を伝えました。
 
アメデ・プロスペル・ジゲムデ保健大臣からは,今次の日本による支援は,ブルキナファソに対する連帯の現れであると述べ,感謝の意を示しました。また,同大臣は,今次支援により供与された機材については,適切に使用していく旨約束しました。
 
注1: 食糧援助とは,食糧不足に直面している開発途上国に対し、米、小麦、トウモロコシなどの穀物の支援を目的とした無償資金協力をさす。
 
注2:見返り資金とは,食料援助等により調達された食料を被援助国の国内市場で民間企業等に売却し,得られた対価を被援助国の国内通貨で積み立てたもの。資金は,被援助国と我が国との協議後,被援助国の経済・社会開発を目的とした事業に使用される。 

式典中,スピーチをする二石大使(写真中央)とそれに聞き入るジゲムデ保健大臣(写真右) 供与機材のひとつである赤外線サーモグラフィーカメラを手渡す二石大使(写真右)とそれを受け取るジゲムデ保健大臣(写真左)
供与した車に乗り込むジゲムデ保健大臣(写真奥)と二石大使(写真手前) 集合写真(写真左から三番目が二石大使,その右がジゲムデ保健大臣)